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スタジアム概論 Posts

スタジアムと認知と経済(2)〜隣の芝生は青くない

前回の「スタジアムと認知と経済(1)〜サッカーはファンを不幸にするか」から、ひどく時間が空いてしまいました。やっと第2回を書いています。今回も、行動経済学の理論をスタジアムに持ち込んでみようと思います。

「隣の芝生は青い」という言葉があります。「自分のものより、他人のものの方が良く見える」という意味の慣用句です。誰かが持っている物が良く見える、羨ましくなる、欲しくなる、買ってみたらそうでもなかった…。そんな経験は確かによくあります。

この「隣の芝生は青い」という言葉を、映像に変換してイメージしてみましょう。恐らく、隣の家の庭には綺麗な緑に輝く芝生があって、あなたは自分の家の庭から隣の家の庭を見ている映像が頭の中に浮かぶと思います。

そんな映像を思い浮かべる中で、あなたの家の庭には、それほど綺麗ではない芝生があると思います。重要なのは、この映像を思い浮かべる時に、大抵の人が「自分の家の庭にも芝生が生えているが、隣の芝生の方が綺麗に見える」という映像になっているという事です。

スタジアムと認知と経済(1)〜サッカーはファンを不幸にするか

少し前の話になりますが、イギリスのサセックス大学がウェブサイトで発表した研究結果が話題になりました。

2018/4/23
「フットボールはファンを不幸にする」〜サセックス大学(イギリス)の調査
Football makes fans less happy : News and events : Research at Sussex : University of Sussex
http://www.sussex.ac.uk/research/newsandevents?id=44576

「サッカーはファンを幸せにしない」英大学の研究 ではなぜ見続けるのか(J-CAST)
https://www.j-cast.com/2018/05/05327585.html?p=all

この調査は、同大学の行動経済学者を中心とした研究チームによって実施されました。

概要をざっくりまとめると、

  • アプリを利用し、ユーザーに「何をしているか」「どう感じているか」を定期的に質問
  • 3年間で3万2000人から合計300万の回答を収集
  • 回答と試合結果を組み合わせて、サッカーファンの試合前後の心情を把握

というものです。

この調査の結果は、

試合終了から1時間後、勝利したチームのファンの幸福度は平均3.9ポイント上昇したが、敗北したチームのファンの幸福度は平均7.8ポイント下降した

というものでした。

つまり、極端な例で言うと、J1リーグで17勝17敗0分だったチームのファンは、1年間で経験した勝利と敗戦は同数だったにも関わらず、幸福度に-66.3ポイントの累積負債を抱える事になります。

序論 〜Hello! World!〜

最初の投稿です。

まず最初に、このブログの話をしたいと思います。

2018年、W杯が開催されました。ご存じの通り、日本は突然の監督解任などを経ながらも、予選リーグ突破し、ベルギーには惜しくも敗れたものの、一時は2点をリードするなど健闘しました。

一方、Jリーグはイニエスタやフェルナンド・トーレスが加入するなど、大きなトピックがありました。

ヴィッセル神戸はこの10年で何度か降格を経験しているチームですが、着実に観客動員数を伸ばしています。ヴィッセル神戸の1試合平均の入場者数は2008シーズンは12,981人でしたが、2017シーズンは18,272人、2018シーズンは15試合消化時点で21,106人となっています。