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スタジアムと認知と経済(1)〜サッカーはファンを不幸にするか

少し前の話になりますが、イギリスのサセックス大学がウェブサイトで発表した研究結果が話題になりました。

2018/4/23
「フットボールはファンを不幸にする」〜サセックス大学(イギリス)の調査
Football makes fans less happy : News and events : Research at Sussex : University of Sussex
http://www.sussex.ac.uk/research/newsandevents?id=44576

「サッカーはファンを幸せにしない」英大学の研究 ではなぜ見続けるのか(J-CAST)
https://www.j-cast.com/2018/05/05327585.html?p=all

この調査は、同大学の行動経済学者を中心とした研究チームによって実施されました。

概要をざっくりまとめると、

  • アプリを利用し、ユーザーに「何をしているか」「どう感じているか」を定期的に質問
  • 3年間で3万2000人から合計300万の回答を収集
  • 回答と試合結果を組み合わせて、サッカーファンの試合前後の心情を把握

というものです。

この調査の結果は、

試合終了から1時間後、勝利したチームのファンの幸福度は平均3.9ポイント上昇したが、敗北したチームのファンの幸福度は平均7.8ポイント下降した

というものでした。

つまり、極端な例で言うと、J1リーグで17勝17敗0分だったチームのファンは、1年間で経験した勝利と敗戦は同数だったにも関わらず、幸福度に-66.3ポイントの累積負債を抱える事になります。

この調査をした研究チームの行動経済学者、ジョージ・マッケロン博士は、

ほとんどのファンはサッカーが人々を幸せにすると言うが、このデータは異なる。サッカーの試合は平均して、人の幸福にとって圧倒的に負の影響があると示している。喜びより痛みが増すにもかかわらずチームの応援を続けることは、経済学的にみれば非合理的だ。

と、調査結果についてまとめています。

実際はファンは幸せである

この調査結果には、サッカーファンから多くの反論が寄せられました。

「そんなことはない!愛するチームの応援は最高に楽しいし、俺たちは最高に幸せだ!」

そうなのです。実際は、サッカーファンは幸せなのです。

最初に「ほとんどのファンはサッカーが人々を幸せにすると言う」と示されている通り、「サッカーファンが幸福だ」というのは間違いない事実なのです。
しかし、「チームを応援し続ける事によって、ファンは幸せになる」と考えた場合、理論上は「勝利後の喜びの大きさ」は「敗戦後の落胆の大きさ」を上回るはずで、チームを応援し続けることにより、幸福度は蓄積されていくはずなのです。