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スタジアムと認知と経済(2)〜隣の芝生は青くない

前段を踏まえて、さらに「隣の芝生は青い」という慣用句について、定義を明確にしていく必要があります。

まず、「芝生」とは何を象徴しているのかという点です。

前段で、「芝生」の象徴として使っている言葉が2つあります。
それは「もの」「物」です。

「もの」「物」の用途や使い分けは、人によって異なりますし、明確で普遍的な定義を示すのは難しいと思いますが、ここでは「物」「物品」として考えます。時には「商品」であったり、「所有物」であったり、「お金で買える」「価値を金銭に換算できる(しやすい)もの」と考えます。

一方で、「もの」は物品に限りません。例えば「環境」です。「窓から見る風景がきれい」「騒音が少ない」というのも「住環境」=「もの」、「ご主人がイケメン」「子供がかわいい」「ご主人のご両親が優しい」というのも「家庭環境」=「もの」、「残業が少ない」「勤務時間がフレックス」というのも「労働環境」=「もの」など、「物品」の他に「価値を金銭に換算できない(しにくい)もの」も含めて考えます。

「比較」で考える「もの」と「物」

そこで、「隣の芝生は青い」という言葉です。例えば「横浜F・マリノス」「日産スタジアム」「ニッパツ三ツ沢球技場」という2つのスタジアムをホームスタジアムとして使用しています。前者の収容人数は約7万人、後者は約1万5千人です。7万人は規模が大きすぎる(利用料が高い)、1万5千人では規模が小さすぎる(チケット売上が減ってしまう)。だから「4万人規模のサッカー専用スタジアムが欲しい」という声はよく聞かれます。

4万人規模のサッカー専用スタジアムというと、「吹田スタジアム」でしょうか。「カシマスタジアム」や「豊田スタジアム」なんかも挙げられるかもしれません。

では、前述のスタジアムをホームスタジアムとするG大阪、鹿島、名古屋のサポーターに対して、横浜のサポーターは「羨ましい」と言うでしょうか?おそらく、多くが「No」と答えると思います。